株式会社radical
～DVD・書籍制作販売～

※テキストの一部を紹介します。

『ノルウェイの森 上』村上春樹（講談社文庫）より引用

「完璧な愛を？」
「違うわよ。いくら私でもそこまでは求めてないわよ。私が求めているのは単なるわがままなの。完璧なわがまま。たとえば今私があなたに向って苺のショート・ケーキが食べたいって言うわね、するとあなはたは何もかも放りだして走ってそれを買いに行くのよ。そしてはあはあ言いながら帰ってきて『はいミドリ、苺のショート・ケーキだよ』ってさしだすでしょ、すると私は『こんなのもう食べたくなくなっちゃったわよ』って言ってそれを窓からぽいと放り投げるの。私が求めているのはそういうものなの」
「そんなの愛とは何の関係もないような気がするけどな」と僕はいささか愕然として言った。
「あるわよ。あなたが知らないだけよ」と緑は言った。「女の子にはね、そういうのがものすごく大切なときがあるのよ」
「苺のショート・ケーキを窓から放り投げることが？」
「そうよ。私は相手の男の人にこう言ってほしいのよ。『わかったよ、ミドリ。僕がわるかったよ。君が苺のショート・ケーキを食べたくなくなることくらい推察するべきだった。僕はロバのウンコみたいに馬鹿で無神経だった。おわびにもう一度何かべつのものを買いに行ってきてあげよう。何がいい？チョコレート・ムース、それともチーズ・ケーキ？』」
「するとどうなるの？」
「私、そうしてもらったぶんきちんと相手を愛するの」
「ずいぶん理不尽な話みたいに思えるけどな」
「でも私にとってそれが愛なのよ。誰も理解してくれないけれど」と緑は言って僕の肩の上で小さく首を振った「ある種の人にとって愛というのはすごくささやかな、あるいは下らないところから始まるのよ。そこからじゃないと始まらないのよ」
「君みたいな考え方をする女の子に会ったのはじめてだな」と僕は言った。
「そう言う人はけっこう多いわね」と彼女は爪の甘皮をいじりながら言った。「でも私、真剣にそういう考え方しかできないのよ。ただ正直に言ってるだけなの。べつに他人と変わった考え方してるなんて思ったこともないし、そんなもの求めてるわけでもないのよ。でも私が正直に話すと、みんな冗談か演技だと思うの。それでときどき何もかも面倒臭くなっちゃうけどね」

※テキストの一部を紹介します。

『三四郎』十二 夏目漱石・新潮文庫

「馬鹿だなあ、あんな女を思って。思ったってしかたがないよ。第一、君と同年ぐらいじゃないか。同年位の男にほれるのは昔の事だ。八百屋お七時代の恋だ」
三四郎は黙っていた。けれども与次郎の意味は能く分らなかった。
「何故と云うに。二十前後の同じ年の男女を二人並べてみろ。女のほうが万事上手だあね。男は馬鹿にされるばかりだ。女だって、自分の軽蔑する男の所へ嫁へ行く気は出ないやね。尤も自分が世界で一番偉いと思ってる女は例外だ。軽蔑する所へ行かなければ独身で暮すより外に方法はないんだから。よく金持ちの娘や何かにそんなのがあるじゃないか、望んで嫁に来ておきながら、亭主を軽蔑しているのが。美禰子さんはそれよりずっと偉い。その代り、夫として尊敬のできない人の所へは始から行く気はないんだから、相手になるものはその気でいなくっちゃいけない。そう云う点で君だの僕だのは、あの女の夫になる資格はないんだよ」

※テキストの一部を紹介します。

『青の時代』第16章 三島由紀夫・新潮文庫

銀座界隈の酒場では誠はなかなかいい顔であった。愛宕や猫山を連れて主に行くのはモレラという店であるが、そこの女たちのあらかたは、かわるがわる誠の週末旅行のお相手を勤めた。誠のこんな年に似合わぬ博愛主義を、女たちはつまみ喰いという陳腐な陰口で呼んでおり、彼がおのおのに買い与えたハンドバッグがどれもこれも同じ品物であることに気がついて腹を立てた。この喜劇的な策謀は、次のように仕組まれたが、誠が一通りわたりをつけたあとで、ある朝メッセンジャア・ボオイを使って、小さな花束をつけた贈り物の紙包みを、同じ時刻に彼女たちのおのおののアパートへ届けさせ、その夕刻店へ集まった彼女たちが、それぞれ腕にか提げている真新しいハンドバッグを見比べるにいたって驚いたのである。女たちはこの喜劇の不在の観客の哄笑（こうしょう）をまざまざと耳にした。そしてその不在の観客にむかって口汚く罵りちらしたが、その晩誠があらわれると、今度はいささか凄愴の度を加えた競争心から、先刻の罵りはおくびにも出さないでちやほやした。

※デザインされた文章はサイトからでは読みにくいと思われるので、重要な箇所を以下に明記します。

表面
特講「ナンパ実践 !」への必須思考
～クセになる草加大介の正しい暴論～

豪華3枚組197min
「ナンパ塾」創業25周年記念作品

裏面
タイトル＝「ナンパ実践 !」の必須思考
サブタイトル＝～クセになる草加大介の正しい暴論～

13年の構想に及ぶ講義内容が作品化 !

多くの人が好きなミュージシャンが口にする単純な歌詞の一部を思い浮かべながら、苦境を耐えたり、逆境を乗り切って飛躍した経験があると思います。とりわけ人間関係や恋愛関係の苦境や逆境は格言のような単純な言葉が自分の殻を破って飛躍するヒントになるのです。本作品では重みのある格言を講義で解説することによって、より重みを持たせて、自分を変えるきっかけ作りを皆さまに提供します。

2009年双葉社より敢行された『軟派の作法』をテキストとして、講義DVDの制作を長く目論んでいました。格言集の『軟派の作法』には草加大介のナンパ思考がぎっしりつまっています。執筆から12年の構想をかけてこのDVDでナンパ上達のエッセンスを視聴者に余すところなく提供します。この作品で『軟派の作法』の一つ一つの格言が何千倍、何万倍のノウハウとなって視聴者の脳の奥底の細胞まで染み込むはずです。心してご視聴下さい。

プロフィール - Department Romance 代表・草加大介
原発のプラントやタンクやサイロを施工する会社のサラリーマンを経て、1998年日本初の「ナンパ塾」、同じように1999年日本初の婚活セミナー「結婚対策塾」を設立。（現在は「恋愛駆け引き、口説き塾」に名称を変更）。男女を対象に2008年に「恋愛塾」、2014年に「復縁塾」、2017年に「再婚活塾」を開き、塾長として指導している。代表作『「ナンパ塾」秘伝口説きマニュアル』（河出書房新社）『恋愛における悪徳の形而上学』（radical） 【公式サイト】https://www.daisuke-souka.net/

CAST STAFF
構成・出演・講師:草加大介
撮影・編集:井上裕一
制作・著作:radical

製造 株式会社radical
https://www.d-radical.co.jp/

本体￥40,800+税 本編3枚組197min 1枚目82min 2枚目71min 3枚目44min 片面1層 MPEG2

〒130-0022 東京都墨田区江東橋4-26-17-302
03-3546-2132

「ナンパ塾」「恋愛駆け引き、口説き塾」「恋愛塾」「復縁塾」「別れさせない屋」｢恋愛便利屋」はDepartment Romanceの登録商標です。商標権を侵害する類似業者は悪質で講義内容もとても酷いのでご注意下さい。